2019年4月16日から放映がスタートしたドラマ『パーフェクトワールド』。
車いす生活者の現実や恋愛がテーマに描かれた、山本美月さん、松坂桃李さん出演の話題作です。
この物語を企画したとき原作者の有賀リエさんは、障害を持つ人の現実と思いをリアルに描きたいと考え、ある人物に取材を依頼しました。
その人物に直接会った後も、メールや電話で何度もやりとりをしながら、物語の厚みと深みを追求していきます。
【パーフェクトワールド】のモデルとなったその人物とは、阿部建設株式会社の取締役で一級建築士の阿部一雄さんです。
もくじ
【パーフェクトワールド】モデルの職業も建築士!阿部一雄さんはどんな人?
(出典:阿部建設株式会社)原作者有賀リエさんと物語モデルの阿部一雄さん
この物語のモデルとなったのは、阿部建設株式会社の取締役で一級建築士の阿部一雄さん。
37歳のときにオートバイレースでの転倒事故が原因で脊椎を損傷。
現在車椅子生活を送っています。
講談社から取材の依頼があり、ストーリー製作に協力することになった阿部さん。
当時のことを次のように語っています。
「初めは驚きました。女性向けの漫画ですし、車いすに乗った人物を描いて本当に漫画として成立するのだろうかと。一方で、それまでに私が観た、車いす生活者の登場する作品には、涙や同情を誘うだけでテーマ性の薄いものもあったので、障がい者の本当の気持ちに近い内容になればと考えたのです。障がい者には、当事者しか分かり得ない葛藤や悔しさがあります。同時に、その家族にも様々な苦しみや思いがある。健常者と障がい者の両方を経験した私には、どちらの現状もリアルに描いてほしいという思いがありました」。
(出典:阿部建設株式会社)
「ただの感動物語にしてほしくない。」
「障害者が登場するドラマは、同情を誘うだけの薄い内容のものが多い。」
「当事者にしかわかりえない、葛藤や悔しさ、リアルな現状を描いてほしい。」
阿部さんはこのような思いがあって、取材に応じることを決めました。
その思いにこたえて、原作マンガ『パーフェクトワールド』には障害を持ったことでおこる葛藤、車いすでの生活、からだの特徴、社会で生きていくための覚悟についてリアルに描かれています。
涙や同情をさそうためのドラマではなく、「深みと厚みをもったリアルな物語」としてつづられているのです。
その思いは『パーフェクトワールド』の映画撮影の場にもいかされています。
【パーフェクトワールド】撮影現場でもリアルを追求
「障害を持った人の現実と思いをリアルに表現する」
モデルの阿部一雄さん、原作者の有賀リエさんの思いは、映画撮影の現場にも受け継がれることになります。
また映画では、脊髄損傷を負った場合の体の動きもリアルに表現されています。樹がつぐみに気づいて前のめりになるシーンは、撮影後、改めて撮りなおされたといいます。
樹の体の状況では腹筋が使えず、その動作は現実的ではなかったからです。
(出典:阿部建設株式会社)
障害を持った人物の動作として現実的ではないと判断されたシーンは取り直しをされました。
映画をみている多くの人にとっては、気がつかない違いだったかもしれません。
でもそこに、監督やスタッフのこの作品への誠実な思いが感じられますね。
【パーフェクトワールド】のモデル、阿部一雄氏『勇気、挑戦心、感謝を伝えたい』
また、パーフェクトワールドの映画化の際には、阿部一雄さんはこのように語っています。
ひたむきに仕事に打ち込みつつも、心には苦悩や葛藤を秘めています。誰かの手助けなしには生きていけない現実、いつ起こるか分からない体の不調や症状の悪化、周囲から浴びせられる不躾な視線、そして大切な人が危険にさらされても見ていることしかできない無力感。それでも困難と向き合い、懸命に生きていく。
この作品から、勇気、挑戦心、感謝が伝わればと思います
(出典:阿部建設株式会社)
この文章を読んでいると、阿部一雄さんの人としての強さを感じずにはいられません。
苦悩や困難を乗り越えた人物の言葉は、なんて力強いものなんだろうと思います。
阿部さんが語った「勇気」「挑戦心」「感謝」を、このドラマをとおして学びたいと思います。
ドラマ【パーフェクトワールド】の感想
『パーフェクトワールド』は車いす生活者の恋愛について描かれた作品ですが、相手を思うからこそ身をひいてしまう。
すれちがってしまう。
そういう葛藤もリアルに描かれています。
愛する人を幸せにしたい。という思いがある。
だけど、現実はきれいごとだけでは済まない。
本当は、恋愛も結婚も家族になることも、幸せなこと。
自分と相手の幸せの両方を願うことができることです。
でも、車いす生活をしている人や障害を持っている人にとっては
『自分が背負っている苦悩や厳しい現実を、大切な人には味わってほしくない。』という思いもあり、恋愛についてどのように考えればいいのか、模索している姿が描かれていました。
「障害は不便ではあるけど、不幸ではない。」という言葉がありますが、
誰かの手を借りて生きていくことは、健常者よりもずっとたくさん自分と向き合わなければいけないことなのだと思います。
突然障害を持った現実と向き合う日々。
いつどうなるかわからない、体調の変化や病気、痛みもつきまとう日々。
仕事に打ち込みながらも、心にはいつも葛藤を秘めている日々。
それでもひたむきに生きたいという真の思いを自分の中に見つけて、前に進んでいる姿がモデルとなった阿部一雄さんの姿そのものであることに、感銘をうけました。
障がい者の多くは、できないことに誰かの助けを借りてでも『一人の人間として生きていきたい』『社会に貢献したい』と強く思っています。(出典:阿部建設株式会社)
この思いが当たり前にかなう世の中であってほしいと思います。
ドラマ【パーフェクトワールド】タイトル、意味や由来は?
ドラマタイトルの【パーフェクトワールド】の意味は、「大切に思う人がいてくれるだけで、世界は完璧だ」。
困難にぶつかり苦悩を続ける日々。
それを乗り越えて生きていくための力は、やはり家族をはじめとする愛する人たちがもたらしてくれるものなのではないでしょうか。
「あなたの苦悩をかわりに背負ってあげることはできない。
でも、そばでずっと見守っている。
あなたの道が開けますように。」
暗闇の中に見える一筋の光は、信じて見守ってくれている人のこんな思いなのではないでしょうか。
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