イチロー引退記者会見の全文を公開!第一線を退く理由を語る

マリナーズのイチロー選手が引退会見をおこないました。
その内容を記事におこしたので、ご覧ください。

 

 もくじ

イチロー引退記者会見全文

イチロー選手からのはじめの挨拶

こんなにいるの、びっくりするわ!
この遅い時間にお集まりいただき、ありがとうございます。

今日のゲームを最後に、現役生活に終止符を打ち、引退することとなりました。
最後にこのユニホームを着て、この日をむかえられたこと、大変幸せに感じています。

この28年振り返るには、あまりにも長い時間だったのでここでひとつひとつ振り返ることが難しい。

ここでは、これまで応援していただいた方々への感謝の思い、球団関係者、チームメイトに感謝申し上げて、皆様からの質問があればできる限りお答えしたいと思っています。
ありがとうございます。

 

イチロー引退記者会見、質疑応答(一問一答)

Q.選手生活に終止符をうったタイミングと理由は?

タイミングはキャンプ終盤。
日本に戻ってくる何日か前に考えるようになった。

もともと日本でプレーする(今回の東京ドームで)までが契約だった。
キャンプ終盤でも結果を出せずに、それをくつがえすことができなかった。

 

 

Q.後悔はないか?

今日の球場でのできごと
あんなもの見せられたら、後悔などあろうはずがありません。

もちろん、もっとできたこともあっただろうとは思いますが
自分なりにがんばってきたとははっきりと言える。

これを重ねてきて、重ねることでしか後悔をうまないということはできないんではないかと思いました。

 

 

Q.テレビを通じて子供たちにメッセージをお願いします。

メッセージかぁ。苦手なのだな、僕が。
野球だけでなくてもいいんですよね?

自分が熱中できるものを見つけられれば、それにむかってエネルギーを注げる。
そういうものを早く見つけてほしい。

それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁にもむかうことができる。
自分に向くか向かないかよりも、自分の好きなものを見つけてほしい。

 

 

Q.今ふっと思い出して、このシーンが一番記憶に残っているというのがあればお願いします。

今日をのぞいてですよね?
このあと時間がたったら、今日のことが一番まっさきに思い浮かぶことは間違いないです。

色々な記録に立ち向かってきたんですけど、そういうものはたいしたことではないというか、自分はそれを目指してやってきたんですけど

いずれそれは、僕ら後輩が先輩たちの記録を抜いていくということはしなくてはならないことだと思うんですけど

そのことにそれほど意味はないと、今日の瞬間を体験すると小さく思えてしまう。

10年200本続けてきたことや、MVPとったことは、ほんとに小さなことに過ぎない。

今日のこの、あの舞台に立てたということは、去年の5月以降ゲームに出られない状況になって、そのあともチームといっしょになって練習を続けてきた。
それを最後まで成し遂げられなければ、今日のこの日はなかった。

今までの記録はいずれ誰かが抜いていくと思うけど、
去年の5月から今日までの日々はほかの誰にも経験できないかもしれない。

そのことがささやかな誇りだ。

どの記録よりも、ほんの少しだけ、誇りをもてたことです。

 

 

Q.どんな状況でも応援してくれたファンの存在は、イチロー選手にとってどんなものか。

19年目のシーズンをアメリカでむかえていたんですけど、日本のファンの熱量は普段感じることが難しい。
久しぶりに東京ドームに来て、ゲームは静かに進んでいくんですけど、なんとなく印象として日本人は表現することが苦手と思っていましたがそれが覆った。

内側に秘めるものを表現したときの迫力を感じた。

あるときまでは、自分のためにクリアすることが、チームのためやファンのためだと思っていたんですけど、ニューヨークに行ったあたりから
人に喜んでもらえることが自分の喜びになった。

ファンの応援なしには、自分のエネルギーはまったくなかったと言える。

 

 

Q.イチロー選手が貫いたもの、貫けたものはなんでしょう?

野球のことを愛したことだと思います。
これが変わることはなかったですね。

おかしなこと言ってます?僕。(場内に笑いが起こる)

 

 

Q.肩の荷をおろしたときに、野球が楽しくなったというのはありますか?

プロ野球生活のなかではないですね。
子供のころから、プロ野球選手になることが夢で、それがかなって
最初の2年くらいは、1軍に行ったり、2軍に行ったり、
そういう状態でやってる野球は楽しかった。

3年目に仰木監督に出会って、レギュラーになった。
この頃までですね。
楽しかったのは。

それ以降は急に番付されちゃって、力以上の評価をされるのは苦しかったですね。

もちろん、達成感や満足感を味わうこともたくさんありました。
でも、楽しいか?といわれるとちがうんですよね。

また楽しい野球をやりたいか?と言われるとそうじゃない。
でもこれは中途半端にプロ野球生活を過ごした人間には待っていない。

プロ野球で苦しんだ人間じゃないと、草野球を楽しむことはできないんじゃないかと思うので、これからはそんな野球をやってみたい。

 

 

Q.この開幕シーズンを大きなギフトとおっしゃっていましたが、私たちの方がギフトをもらったように感じました。これからイチロー選手は、私たちにどんなギフトをくださるのでしょうか?

ないですよそんなもん。
去年3月の頭に、マリナーズからの今日までの流れがあるんですけども、

生き方というふうに考えれば、先ほどもお話しましたけれども、人よりがんばることなんてとてもできない。
あくまでもはかりは自分の中にある。

自分の限界を見ながら、ちょっと超えていく。
そうするといつの日かこんな自分になっているんだということがある。

日々のその積み重ねが、それでしか自分で超えていけないと思う。
いっきに高みにいこうとすると今の状態とギャップがありすぎる。
地道に進むしかない。

あるときは後退しかしないときもあると思うけど、でも自分の決めた道を進んでいく。
でもそれが正解かはわからない。

でも遠回りするしか、自分の道はわからないと思うので、
そうやって自分で重ねてきたことが、今のファンの方の気持ちですよね

ひょっとしたらそんなとこを見てもらっていたのかなと思って、うれしかったです。

 

 

Q.今後の活動は?

何になるんでしょうね。
そもそもカタカナのイチローってどうなんでしょうね。

書くときどうなるんだろうね。元イチロー?

どうしようか、うーん。

監督、絶対無理ですよ。
人望がない、ほんとに。

それぐらいの判断能力は備えているので・・・。
ただどうでしょうね。

プロの選手、プロの世界というよりも、アマチュアとプロの壁というのが日本の場合、特殊な形で存在しているので~。
今までどうなんですか。

たとえば自分に子どもがいたとして、高校生だとしたら教えられなかったというシステムですよね?
そうですよね?

だから、今日をもって元イチローになるので、
小さな子供なのか、高校生なのか、大学生なのかわからないですけど、そこ(子供たちの育成)には興味がありますね。

 

 

Q.引退が頭をかすめたときは他になかったですか?

クビになるんじゃないか、という思いはいつもありましたね。
ニューヨーク行ってから、マイアミも、いつもありました。

毎日そんなメンタリティーで過ごしていました。

(引退が思い浮かぶことは)しょっちゅうありました。

 

 

Q.引退を決めた理由は?

マリナーズ以外に行く気持ちはなかった。
去年、シアトルに戻していただいて、ほんとにうれしかったし、

5月にゲームに出られなかったタイミングで決めていてもおかしくなかった。
でも春に向けてまだ可能性があるとも伝えられていたので、がんばってきた。

 

Q.菊池雄星選手を抱擁していたときに伝えた言葉はなんですか?

号泣ちゅうの号泣でしたね!あいつ。
それは教えられません。

雄星が言うのはかまいませんが。
プライベートなことなので。

そんなことをここで話したら信用されないですよね。

 

 

Q.アメリカのファンへのメッセージは?

アメリカのファンは、最初は厳しかった。
「日本に帰れ」としょっちゅう言われました。

だけど、結果を残した後の敬意の示し方というのは、迫力があるなという印象ですよね。

なかなか入れてもらえないんですけど、認めてもらった後にはすごく力になる。
がっちり関係ができる。

シアトルのファンとは、それができたような・・・。
それは僕の勝手な印象ですけど。

ニューヨークというのは、厳しいところですよね。
でも、できればどこのエリアよりも熱いですよね。

マイアミというのは、ラテンの文化が強い印象で、圧はそれほどないんですけど、
でも結果残さないと絶対人は来てくれない。

それぞれに特色があっておもしろかったですし、それぞれの場所で関係が築けないといけない。

ファンの特徴ひとつとっても、アメリカはすごく広い場所だなと思った。

最後にシアトルに来て、姿を見せられなくて、申し訳ない思いがあります。

 

 

Q.ユニークなTシャツが話題になっていましたが、イチロー選手の心情をあらわしているんですか?

そこは、言うと急に野暮ったくなるから。
それは見る側の解釈ですから、全然関係ないととらえてもいいですし。

言うと無粋になることは間違いないですよね。

 

 

Q.支えてきた弓子夫人へのメッセージ

がんばってくれましたね。
一番がんばってくれたと思います。

僕はアメリカで3089本のヒットをうったわけですけども、
僕はホームでいるときは、ゲーム前に妻が握ってくれたおにぎりを食べるんです。

その数がね(妻がにぎったおにぎりの数が)
2800くらいでしたよ。

3000いってなかったですね。
そこは3000個握らせてあげたかったです。

僕はゆっくりする気はないですけど、妻にはゆっくりしてほしい。

それと一休ですね。
わが家の愛犬です。

17歳になる柴犬なんですけど、さすがにおじいちゃんになってきて、もうフラフラなんですよね。
でも懸命に生きてるんですよね。

その姿見てたら、こりゃぼくがんばらないといけないなと本気で思いましたね。

これは冗談ではなく。

シアトルにまさか最後までいっしょに、僕が現役を終えるときまでいっしょに過ごせるとは思っていなかったんですけど、
これは感慨深いですね。

妻と一休には感謝の思いしかないですね。

 

 

Q.3月の終盤に引退を決めた、打席内での感覚の変化を教えてほしい。

今それ聞く?
裏で話すわ、裏で。

 

Q.数多くの決断と戦ってきたと思いますが、そのなかで一番考え抜いて決断したものはなんだったんでしょうか。

これ、順番つけられないですね。
それぞれが1番だったと思います。

アメリカでプレーしようと思ったとき、後押し、
自分の思いだけではそれは叶わないですし、

球団からの後押しがなければ当然できないですし、

その時に球団にいる誰かを口説かないといけない、説得しないといけない。
一番に思い浮かんだのは仰木監督でした。

その何年か前からプレーしたいと話していたんですが、
仰木監督だったらおいしいご飯とお酒を飲ませたらうまくいくんじゃないかと思った。

はじめにくどく人に仰木監督を選んだことが大きかった。

それでまんまとうまくいったんで
「だめだ、だめだ」とおっしゃっていたのが、お酒でこんなけ変わってくれるんだって、
まざまざと見せつけられました。

でもやっぱり洒落た人だったし、仰木監督から学んだものは大きかった。

 

 

Q.イチロー選手が現役時代、一番我慢したことは何だった?

難しい質問ですね。
僕我慢できない人なので。

とにかく身体を動かしたかったので、そんなに動かしたらだめだって、身体を動かすことを我慢するというのはありました。
それ以外はできるだけストレスを感じないように過ごしていた。

家では、妻が考えて作ってくれましたが
ロードに出るとむちゃくちゃでしたよ、ロードの食生活は。

今聞かれたような趣旨の我慢は思い当たらないです。

 

 

Q.台湾のファンへのメッセージは?

チェンが元気か聞きたいですね。
チームメイトだったので。

今のところ予定はないのですが、でも以前は行ったことはあるんですよ。
すごく心優しい印象で、いいなと思いました。

 

 

Q.イチロー選手が後輩たちに託したいものはありますか?

雄星のデビューの日に、僕はこの日をむかえたのは、なんかいいなぁと思っていて。
ちゃんとやれよ!という思いですね。

短い時間でしたけれども、すごくいい子で。
やっぱり色んな選手見てきたんですけど、左ピッチャーの先発って変わってる子が多いんですよ。

ほんとに、まあ天才肌の子が多いですよね。

アメリカでもそうですよ。
だから、こんなにいい子っているのかなって。
キャンプ地から日本に飛行機で移動していたんですけど、チームはドレスコードですね。
服装のルールが。

黒のセットアップ、ジャージでOKという配慮ですけど、
アリゾナをたつときはいいんですけど、日本についたときにさすがにジャージはだめだよね!と二人で話していたんですよ。

メジャーリーガーなのにね!って。

でもまさかの雄星、羽田着いたときにジャージでしたからね!

 

翔平はしっかり怪我治して。
あのサイズであの機敏な動きができるってのはなかなかいない。

世界一の選手にならないといけない。

 

 

Q.イチロー選手にとっての野球の魅力は?

団体競技なのが野球の面白いところで、チームが勝てばそれでいいかというとそうではないので。
個人としても結果を残さないと生きていくことはできない。

本来はチームとして勝っていれば、チームとしていいはずだけど、そうではないのが魅力ですよね。

あと、同じシーンがないこと。

ふたつめは、どうやって楽しんだらいいのか。
2001年にアメリカに来てから、まったくちがう野球になりました。

頭を使わなくてもできてしまう野球になりつつある。
現場にいる人は感じていることだと思います。

これがどうやって変化していくのか。
しばらくはこの流れはとまらないでしょうが、本来は野球というものは・・・。

だめだ、これ言うと問題になりそうだ!

頭を使わないといけないんですよ、本来は。
なんか気持ち悪い。
野球の本場はアメリカですから、その野球がそうなってきているということに、危機感を覚えている。

日本の野球がアメリカの野球に浸潤しなければいけないということはなくて、アメリカの野球のこの流れは止まらない。

せめて、日本の野球は大切にしないといけないものを大切にしていかなければいけない。

 

 

Q.子どもの頃からの夢をかなえて、成功なさっているイチローさんは何を得たと思っていますか?

成功なのかどうかはわからないですね。
成功という言葉は僕は嫌いなんですけどね。

メジャーリーグに挑戦するということは、大変な勇気だと思うんですけど、でも成功すると思ったらやってみれたり、それができないと思うから行かない、という判断基準は後悔をうむ。

やりたいと思うなら、行けばいい。
それなら、どんな結果になろうと後悔はない。

基本的には、やりたいと思ったことに向かっていきたいですよね。

何を得たかということですよね。
こんなものかなーという感覚ですね。

それは、200本もっとしたかったし、できると思ったし、
はじめの3年は勝つのってそんなに難しくないなと思っていたんですけど。

そんなものじゃない。
厳しいことですね、勝利するということは。

その感覚を得られたことは大きいですね。

 

 

Q.神戸に恩返ししたいという思いはありますか?

神戸は僕にとっては特別な街です。

恩返しってなんでしょうね。
僕は選手として活躍することだと思っていたので、できるだけ長く現役を続けることなんじゃないかと考えていた。

税金をなるべく多く払えるようにがんばります!

 

 

 

イチロー引退、今後の活動は?

イチロー選手は引退会見で、今後の活動については明言しませんでした。

ですが、子供たちの育成をやってみたいと思っているみたいですね。

 

イチロー引退会見で語られた名言!

個人的には、子供たちへ向けたメッセージが印象的でした。

「夢中になれることを見つけて」が明言でしたね。

そして、奥様の弓子さんに対して「おにぎり3000個握らせてあげたかった。」というのも心に響きました。

 

 

偉大な功績を残したイチロー選手。
日本の誇りですね。
ありがとう!イチロー選手!