トイレが下水臭い!1日に何度も使うのに、下水の臭いがするなんて・・・ストレスですよね。
トイレで下水の臭いがする主な原因は「封水切れ」によるもの。(そのほかには、排水管と壁との間に隙間があるなどの原因が考えられます。)
封水とは、トイレの便器にたまっている水のことです。
この水が徐々に減っていったり、何かの拍子に数秒なくなるなどの理由によって、下水の臭いやガスがトイレに充満します。
今回は「封水切れを起こす4つの原因と対策」 「トラブル予防!トイレのメンテナンス」 「封水切れ以外の原因」について詳しくお伝えします。
もくじ
トイレが下水臭いときの対策!さくっと説明
トイレが下水臭い原因として多いのは『毛管現象作用による封水切れ』です。
「毛管現象??なにそれ・・・」ですよね。
毛管現象作用とは「トイレの繊維質の詰まりが原因で、封水切れを起こす現象のこと」です。
つまり『トイレが詰まって封水が減る→封水バリアが弱くなる→下水の臭いが上がってくる』という仕組みです。
詰まっていると言ってもトイレの水は流れますし、詰まりの原因に心当たりがないことが大半なので、対応が遅れがちになってしまいます。
ですが、そのままにしていると事態は悪化するばかり。
一刻も早く詰まりを解消しましょう!
(電話相談を受つけている業者もあるので、まずは問い合わせしてみるのもおすすめ。↓)
対策としては、バケツで水を投入する、ラバーカップ(いわゆる「すっぽん」)を使う、薬剤を使うなどの方法があります。
※毛管現象の対策については、詳しくは後ほど!
次に「封水の役割」や「封水切れの原因と対策」について順番にみていきましょう。
トイレが下水臭い原因は『封水切れ』
トイレの便器に溜まっている水。これを『封水』といいます。
「封じる水」で封水なのでしょうね。名前がかっこいい・・・。
では一体、何を封じるのかというと・・・害虫や悪臭の屋内への侵入です。
トイレ内に水を溜めておくことで下水管との間にバリアをはり、よからぬものの侵入を阻止しています。
もしトイレの封水がなくなると、下水管と屋内が直結することになり、臭いやガスがトイレに充満。排水管をつたって害虫があがってくることもあります。
(トイレから虫が湧き出てくるなんて・・・ホラーですね・・・。)
ということで、封水はとても重要な役割を担っているのです。
そして「封水を利用し、臭いやガスの逆流を防ぐ仕組み」を『排水トラップ』といいます。
ところがこの封水、何かの不具合でなくなったり少なくなったりして、封がとかれてしまうことがあります。
このことを「封水切れ」「破封」といいます。
トイレから下水の臭いがする原因は、この「封水切れ」が考えられます。
「うちのトイレが臭いのは封水切れが原因なの?」と思ったら、次の方法でチェックしてみましょう。
うちのトイレ、封水切れしてる?簡単チェック方法
下水の臭いの原因が封水切れかどうかは「トイレの便器に水を補充する」ことで確認できます。
トイレに水を静かに流し込み、しばらく様子をみてみましょう。
下水の臭いが軽減するには時間がかかりますが(約1日)、水を補充することで明らかな変化があるなら、封水切れが臭いの原因であると判断できます。
封水切れの原因と対策!4つのパターン
ひと口に「封水切れ」と言ってもその原因はさまざま。よって、対策もさまざまです。
まずは何が原因で封水切れを起こしているのかをさぐってみましょう。
封水切れとは?
トイレの便器に溜まっている水が減ったり、なくなったりすること。
徐々に減る、急激に減る、数秒間だけ減るなどのパターンがあります。
封水切れの原因!4つのパターン
①蒸発によるもの
②サイホン作用によるもの
③跳ね出し作用・吸い込み作用によるもの
④毛管現象作用によるもの
なんだか難しい言葉が並んでいますね・・・。
ちょっと噛み砕いてご説明していきます。
①蒸発によるもの
長い間家を留守にして水を流さずにいると、封水の水が少しずつ蒸発し、それによって封水切れを起こします。
特に夏場の気温が高い時期は蒸発しやすいので要注意。
自然蒸発が原因の場合、慌てて業者を呼ばなくても大丈夫。水を流せば封水は元に戻ります。
レバーハンドルを回して、正常な位置に封水が戻っていることを確認しましょう。
ですが数日でまた封水が少なくなるようであれば、他の要因をさぐらなくてはいけません。
②自己サイホン作用によるもの
・自己サイホン作用とは?
大量の水を一度に流すことで封水が排水管側に引き寄せられ、封水切れを起こす作用のことです。
トイレの水を流したときの勢いが強すぎたり、トイレットペーパーの使用量が多いと発生します。
トイレの便器に水を補充します。封水として水を溜めるために、ゆっくりと流し込むようにしましょう。
ただし、これは応急処置です。
何度も同じことが起こる場合は、設計ミス、配管や排水管の劣化という可能性があります。
この場合は自分で原因を調査することが難しいため、業者に依頼して根本的な解決をはかりましょう。
また、トイレットペーパーの量が多すぎないか、これを機に見直してみましょう。
③吸い込み作用・跳ね出し作用によるもの
・吸い込み作用・跳ね出し作用とは?
マンションなどの集合住宅で、上階の住人が大量の水を流すことによって排水管内の空気圧が変化し、封水切れを起こす作用のことです。
排水管の中で「負圧」という引っ張る力が生じると、その影響でトイレの封水が排水管側に吸い込まれてしまいます。
反対に「正圧」が生じると、トイレから封水が跳ね出してしまいます。
通気管を設置し、外から空気を入れるという方法が有効です。
しかし、壁に穴を開ける必要があるので、まずは管理会社に相談しましょう。
④毛管現象作用によるもの
はじめにお伝えしたのがこの「毛管現象作用による封水切れ」です。
封水切れを起こす原因として多いのが毛管現象作用によるもの。
これが原因の場合、自分で対策を取りやすいので以下に説明する方法を試してみましょう。
・毛管現象作用とは?
トイレットペーパー、毛髪、糸くずなどが排水管に詰まり、これらの細かい繊維が封水を少しずつ吸い上げることで封水切れを起こす作用のことです。
たとえ水が流れていても、実は排水管の中は詰まっている!ということですね。
一番多いのは、水に流してOKなはずのトイレットペーパー。数年単位で蓄積してしまっているケースが多いのです。
そのほかには、赤ちゃん用のお尻拭き、タバコの吸殻、トイレのお掃除シート、ティッシュペーパーなども詰まりの原因になります。
詰まりが原因で封水切れを起こしているので、それを以下の3つの方法で解消しましょう!
毛管現象作用を解消する4つの方法
※ここでご紹介する方法は、トイレットペーパーやお尻拭きなど繊維質の物が詰まっている場合の対策です。
固形物が詰まっている場合は行わないようにして下さい。
固形物を奥に押しやってしまうと、大規模な修理が必要になってしまいます。
①バケツで水を流し込む
バケツに水を溜め、できるだけ高い場所から排水口めがけて流し込み、水の勢いで詰まりを奥へ押しやります。
細い滝をイメージして、ピンポイントに排水口を狙いましょう。
あまり勢いが強すぎると、便器の中に水がたまってしまうため注意しましょう。
これを何度か繰り返します。
周囲に水が飛び散ってしまうため、新聞紙やビニールを敷いておくと片付けが簡単です。
②お湯を注ぐ
水を流す方法で解決しない場合はお湯を使ってみましょう。
お湯を使うと詰まりの原因になっている物が溶けやすくなります。
ただし、ここで注意したいのがお湯の温度。40~60℃が適温です。
※熱湯を注ぐと便器本体や接続部分が破損してしまうため、絶対にやめましょう。
300ml~600mlのお湯をゆっくりと注ぎます。
お湯が詰まりに効果を発揮するまで1時間ほどおきましょう。
③ラバーカップを使う
ラバーカップとは、棒の先にゴム製のお椀のようなものがついている製品で、通称”すっぽん”と呼ばれています。
排水口と密着させることで真空状態を作り、吸引力を発揮します。
ほとんどの詰まりはこれで解消できるという優れ物です。
ですが、意外に正しい使い方は知らないもの。
以下でご紹介しますのでチェックしてみてください。
・ラバーカップ(すっぽん)の正しい使い方
①ラバーカップの先端が水に浸るくらいの水位にする。(足りない場合は、バケツやコップで注ぐ。)
①排水口と水平になるように、ラバーカップの先端を密着させる。
③少しずつゆっくり、静かに押し込む。
④もう押し込めないところまで到達したら、勢いよくぐっと引っ張る。
最大のポイントは詰まっている物を押し込めるのではなく、引っ張り出すイメージで行うことです。
また、ラバーカップの先端をしっかり水に浸すことで真空状態を作ることも大切です。
詰まりがとれた感覚があったり、ゴボゴボと音を立てたりするまで、数回繰り返し行いましょう。
④薬剤を使う
トイレ詰まり解消用の薬品で詰まりの原因を溶かしましょう。
薬品をトイレに注げばいいだけなので、手軽に解消できます。
(詳しい使い方は薬品のパッケージに記載されている使用方法をご確認ください。)
これらの薬品には強いアルカリ性の薬剤が含まれていることもあるので、取り扱いには十分に注意する必要があります。
ゴム手袋・めがね・マスクを着用し、小さなお子さんが手を触れない場所に保管してください。
詰まりが解消できたら・・・
詰まりが無事に解消!「ふーやれやれ・・・」とレバーハンドルを回して水を流すのはNGです!
また一度に流し込んでしまうと、水があふれてしまう可能性があります。
バケツやコップで様子を見ながら少しずつ水を注ぐようにしましょう。
トイレの封水をキープする!メンテナンスと予防策
トイレの詰まりと下水の臭いは解消できましたか?
一件落着して、封水の大切さを身にしみて感じられたのではないでしょうか。
これからは封水切れを起こさないように、定期的にメンテナンスをしましょう。
やり方は簡単!先ほどご紹介したトイレ詰まり解消用の薬品を使用します。
排水管の中に蓄積されている見えない汚れを、半年~1年に1度は薬剤を使って溶かします。
特に、古いトイレの場合は欠かさず行うようにしましょう。
「トイレを詰まらせる前にメンテナンス!」が合言葉ですね。
トイレを詰まらせないための予防策
封水をキープするためにも、快適に使用するためにも、トイレを詰まらせないように次のことに気をつけて予防しましょう。
・トイレットペーパーを一度にたくさん流さない。
・トイレットペーパーはシングルタイプを使う。
・ペットのトイレの砂(流せるタイプであっても)を流さない。
・紙おむつ、タバコの吸殻、ティッシュペーパーを流さない。
・トイレのタンクにペットボトルを入れてかさ増しするなど、誤った節水対策はしない。
トイレの詰まりで多いのが、トイレットペーパーなのだそうです。たとえ水で溶ける素材であっても、蓄積してしまうことがあるんですね・・・。
ということは、ティッシュペーパーやタバコの吸殻をトイレに流すのはもってのほかだということがわかりますね。
「まあ、いいか。」「前にも流れたし。」と安易に考え、トイレに捨てていると思わぬ被害に発展することになります。
封水切れ以外の原因は?
封水の量は十分あるのに、下水の臭いがする場合は何が原因なのでしょうか?
まずはもう一度「①便器に水をこまめに補充する。 ②蓋を閉じる。」を試して時間を置き、下水の臭いに変化がないか確認してください。
それでも下水の臭いが解消されない場合、次のことが考えられます。
①排水管や通気管と壁の間に隙間がある
排水管や通気管と壁の間にわずかな隙間ができている場合は、粘土を使用して埋めることで臭いが軽減されます。
排水管や通気管は目隠しされている場合もあるので、よくさがしましょう。
②床排水トラップの不具合
トイレの床に排水トラップがある場合、状況を確認してみましょう。
トラップにかぶせるお椀型の蓋(防臭わん)がない、あるいはしっかりと閉まっていない、腐食しているなどが原因で下水の臭いが上がってきている可能性があります。
この場合は、防臭わんをトラップにかぶせてしっかり閉めると解決します。
③吸気口のつまみが閉まっている
第3種換気方式(排気は換気扇を使う強制排気、吸気は自然吸気)を採用しているなど気密性が高い住宅の場合、各部屋の吸気口の開閉つまみを確認してみましょう。
吸気口の開閉つまみを閉めたままにしている、フィルターが目詰まりしているなどの理由で、屋内が負圧になっていると・・・
トイレの排水時の数秒間で下水(外界)の空気を吸い上げてしまうことがあります。
排水時に臭う、新築の家で臭うなどの場合はこのパターンの可能性が高いです。
この場合は、吸気口の開閉つまりを開くとすぐに解決します。
④便器内部に割れや欠けなどのトラブルがある。
トイレの便器が割れたり欠けている箇所がある、弁が故障しているなどの可能性もあります。
ですが、便器は非常に丈夫なつくりになっていて、通常の使用で便器が割れるということはあまり考えられません。
便器の上に乗る、物をぶつけるなどが要因として考えられますが、小さなひび割れの場合は自分で修繕することも可能です。
そのほかの便器内部のトラブルは、見極めや修繕が難しいため、疑わしい場合は業者に依頼しましょう。
⑤トイレのタンクの不具合がある。
レバーハンドルを回した後にすぐ封水がなくなる場合は、補助水管がオーバーフロー管から外れているかもしれません。タンクの蓋をあけて、外れている管がないか確認してみましょう。
まとめ
トイレの下水の臭いがする!と慌てて業者を呼ばなくても、自分でできる対策もたくさんあります。
まずは色々試してみて、それでも解決しない場合は早急に業者に依頼しましょう。
電話相談を受つけている業者もあるので、まずは気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
それにしても・・・トイレの便器にたまっている封水。
何気なくあるようで、実はとっても重要な役割を果たしているんですね。
封水の必要量をキープするために、定期的なメンテナンスも忘れずにするようにしましょう。
あなたのトイレの下水臭さが無事に解消されますように!