寒い冬を過ごすのに欠かせないのが暖房!
外でガタガタ震えていたぶん、あたたかい部屋だとゆったりくつろげますよね。
そんなありがたい存在の暖房ですが、スイッチを入れるときにふと迷ってしまうのが設定温度。
「何度くらいを目安に設定すればいいの?」と疑問に思ったことはありませんか?
暖房の温度設定は「節電」と「健康」の両方の側面から考えて、20℃くらいの設定が好ましいとされています。
今回は『暖房の適度な設定温度&湿度』 『心地いい睡眠のための温度』 『暖房費を節約するコツ』など、エアコンの暖房を上手に使うための5つの秘訣をまとめました。
もくじ
1.暖房の設定温度は20℃、湿度は40~60%
環境省が推奨する設定温度は20℃
環境省は、暖房使用時のエアコンの設定温度を20℃にすることを推奨しています。
20℃と聞くと「低い!」と感じるかもしれませんが、衣服を調節する、サーキュレーターを使う、湿度を上げるなど、様々な工夫をすることで、体感温度を上げることができます。
暖房にばかり頼りすぎないことが大切ですね。
環境のためにも、お財布のためにも、健康のためにも、設定温度は20℃を目安にしましょう!
そして次の項で詳しく説明しますが、心地よく健康に過ごすためには、温度だけでなく湿度の管理も重要です。
心地よく感じる湿度
人が心地よく感じる環境は、温度と湿度のバランスによって決まります。
ですから、温度だけではなく、湿度の管理もしっかりしておきたいところ。
例えば、同じ温度だと湿度が高い方があたたかく感じます。
・・・かといって、湿度が高ければ高いほどいいというわけではないので、ご注意ください。湿度を高くしすぎるとジメジメ不快に感じ、結露やカビの原因にもなってしまいます。
では、どれくらいが適度な室温か?というと約40~60%くらい。
人と住まいの両方にとって、ちょうどいい湿度だといわれています。
ちなみに夏は、同じ温度なら湿度が低いほうが涼しく感じることができます。
2.心地よい睡眠のための温度
人間の快眠に適切な温度は、15℃~21℃。
寝室で暖房を使用するときには、この設定温度を目安にすると心地よく眠ることができます。
室内の温度が低すぎると、呼吸によって冷たい空気を取り込むことで体温が下がり、睡眠の質が悪くなってしまいます。
また、寝室が乾燥していると、寝ている間に鼻や喉の粘膜をいためて睡眠の質が落ちてしまいます。
加湿器などを使用して、湿度を約50%を目安に保ちましょう。
加湿器がない場合は、ぬれたタオルを頭上に干しておくと湿度UPに効果的です。
3.適度な温度・湿度でやインフルエンザを予防!
インフルエンザの予防といえば、うがい、手洗い、マスクの着用!などなどですが・・・
室内の温度・湿度の管理もとても重要です!
インフルエンザウイルスは、寒くて乾燥した環境で活発に活動します。
反対に、あたたかく湿度の高い環境には弱く、感染力が大幅にダウンします。
このことから、
インフルエンザを予防するためには、
『室内の温度20℃以上、湿度50~60%をキープ』するようにいわれています。
そのほかにも、こまめに水分補給をして口の中をうるおすことも予防につながります。
インフルエンザだけでなく、風邪の予防にも有効なので、温度と湿度を管理して、健康に冬を過ごしたいものですね。
4.温度の上げすぎに注意!
「ヒートショック」という言葉をご存知ですか?
急激な温度変化により、血圧が大きく変動することで起こる健康被害のこと。
心臓に負担をかけ、失神、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こします。
たとえば、冬にあたたかい室内からトイレや浴室など気温の低いところへ移動すると、からだが熱を奪われまいと血管を縮めます。
結果、血圧が上がって心臓に負担がかかります。
温度差が原因で引き起こされることなので、日頃から部屋の温度を上げすぎないように気をつけることも大切です。
また、「廊下に出る前にドアをしばらく開け放ってあたたかい空気を逃す。」「出かけるときには、少し前からエアコンのスイッチをオフにして身体を慣らしておく。」などの対策をとりましょう。
5.適温を守って電気代を節約!
適温を守ることで、電気代の節約にもつながります。
暖房の電気代は、1℃下げると約10%下がるといわれています。
たった1℃で10%もちがうとは・・・。大きいな差ですね。
では、どうすれば、「設定温度20℃で、どうすればあたたかく快適に過ごせるのか」を考えてみましょう。
エアコンから出てくるあたたかい空気を、いかに効率的に活用するか、が重要なカギとなってきます。
同じ温度でも賢く工夫することで、あたたかく快適に過ごすことができますよ。
電気代を節約する!7つのポイント
- エアコンの風量設定は自動運転にする。
- エアコンのON/OFFはこまめにしない。
- エアコンの風向きは下に。
- サーキュレーターや扇風機を使って空気をかき混ぜる
- カーテンに工夫を。
- フィルター掃除を定期的に。
1.エアコンの風量設定は自動運転にする。
エアコンは運転開始直後に、多くのエネルギーを使います。
つまり、急激にあたためているときに電気代がかかる、ということですね。
風量設定を少ないまま運転すると、なかなかあたたくならない上に、電気代も無駄にかかってしまいます。
「自動運転」にしておくと、部屋を設定温度にするために一番効率的な運転をしてくれるので、エアコンにお任せしましょう。
2.エアコンのON/OFFはこまめにしない。
部屋があたたまってきたから、節約のためにスイッチOFF。
寒くなってきたからスイッチON。
このようなこまめなスイッチのON・OFFは、一見節約になりそうですが、実は逆効果なんです。
1でも触れたとおり、エアコンはいっきにあたためるときに一番エネルギーを使います。
それに対して、同じ温度をキープするために使う電気はとても少ないのです。
ですから、運転を停止してしまうとせっかくあたたまった部屋の温度が下がってしまい、運転を再開したときにまた多くの電気を消費するということになります。
その繰り返しをしていると、当然電気代はUP。
部屋で過ごしている間は、エアコンに温度調整を任せましょう。
あたたまり過ぎると感じるときは、スイッチを切るのではなく、設定温度を下げるようにしましょう。
3.エアコンの風向きは下に。
あたたかい空気は天井付近にたまる性質があるため、エアコンの風向きは下にして、床にむかって空気を送り出しましょう。
4.サーキュレーターや扇風機を使って空気をかき混ぜる
サーキュレーターや扇風機を有効に活用すれば、温度が約3℃上昇するといわれています。
『頭はほってってぼんやりするのに、足元はいつも冷たい』という現象も緩和されます。
ですが、置き場所を間違えると帰って温度を下げてしまうことになってしまうので要注意!
エアコンの風向きやサーキュレーターの活用方法については、こちらの記事を参考にしてください。
5.三つの首をあたためる。
寒く感じるときは、着る物で調節しましょう。
ポイントは、首・手首・足首の『三つの首』をあたためること。
『三つの首』には太い血管があるので、からだ全体があたたまります。
タートルネックのセーターやレッグウォーマーの着用がおすすめです。
6.カーテンに工夫を。
せっかくエアコンであたためた空気も、外の冷たい空気が室内に入ってくると下がってしまいます。
外の空気はどこから入ってくるのか・・・最も割合が高いのが窓です。
室内に入ってくる冷たい空気のうち、実に50%以上が窓からの流入なのです。
冷たい空気の流入を防ぐために、重要なのがカーテンの役割です。
次のような工夫をしてみましょう。
ビニールライナーを取り付ける。
わが家の窓対策で一番効果があったのがこれです。
ビニールの空気遮断力ってすごいんだなぁと痛感。
手持ちのカーテンの内側に、簡単に取り付けできるので便利です。
カーテンの丈を長くし、床との隙間を少なくする。
冷たい空気は窓の下の方から、スースー入ってきますよね。
カーテンの裾が床から5ミリくらい上になるように調節しておくといいでしょう。
もっと長くして床に広げておくと保温効果は高まりますが、見た目と汚れやすさの関係から、少しだけ隙間があるくらいがちょうどいいと思います。
厚手の生地を選ぶ。
軽やかなぺらっとした生地よりも、厚手の生地の方が保温性が高くなります。
最近では、保温効果のあるカーテンも売られています。
ひだを多めに。
ひだを多くすることで、保温効果が高まります。
デザイン的にも、豪華な印象になりますね。
オーダーカーテンだとひだの数も選べます。
オーダーと聞くと敷居が高いように思いますが、インターネットだとリーズナブルな価格で簡単に注文できる店舗もたくさんあるので、検討してみてくださいね。
7.フィルターの掃除を定期的に。
フィルターの目がほこりなどで詰まってしまうと、エアコンの動作効率が落ち、余計な電気代がかかってしまいます。(なんと、最大25%も電気代がUPします。)
また、フィルターの目詰まりはエアコンの故障の原因になり、汚れた空気が室内に送り出されるため、衛生上も好ましくありません。
2週間に1度、少なくとも1ヶ月に1度はフィルターの掃除をするようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
エアコンの設定温度が20℃と聞くと、「もう少し上げたいな」と思うかもしれませんが、それは最後の奥の手。
まずは、色々工夫してみましょう。
特に暖房使用時のサーキュレーターの併用は、効果絶大なのでおすすめです。
洗濯物の部屋干しにも活躍するので、一台あれば一石二鳥になりますよ。